メンタルヘルス

抗うつ薬ランキング「一番効くのは?」「よく処方されるのは?」「飲みやすいのは?」

ここでは、抗うつ剤の「効果」「飲みやすさ」「処方数」についてのランキングを紹介しています。※処方データは記事編集時点のものであり、変動する可能性があります)

このページを検索したあなたは、現在うつ病で病院に通っている or そのご家族だと思います。

はじめにお断りしておきます。

精神薬の使用を否定しませんが、安易に抗うつ剤を飲むこともおすすめしていません。

日本では、生涯のうちにうつ病を経験する人は少なくありません。

たとえば2016年の調査では、15人に1人が生涯で一度はうつ病を患う可能性があると報告されています。

※川上 憲人:精神疾患の有病率等に関する大規模疫学調査研究:世界精神保健日本調査セカンド 厚生労働科学研究費補助金(障害者対策総合研究事業) 総合研究報告書:2016

また、厚生労働省が発表した「令和2年(2020年)患者調査」によると、気分[感情]障害(躁うつ病を含む)で継続的に医療機関を受診している方は約174万人にのぼるとされ、多くの方が治療に向き合っていることがわかります。

※患者調査は「有病率」そのものではありませんが、気分障害(うつ病を含む)で医療機関を受療している患者数のおおよその規模と推移を把握できます。

現在、うつの症状で病院を受診すると、かなりの割合で抗うつ薬が処方されるのが現状です。

この抗うつ薬には実にたくさんの種類があり、定期的に臨床比較試験が行われていて、効果や飲みやすさについてランキングが発表されています。

それぞれに特徴がありますし、効果の実感はそれぞれの体質でも変わってくるものですが、どうせなら一番効果があるものを選びたいですよね。

そこで今回は抗うつ剤に関する「効果」「飲みやすさ」「処方数」のデータをご紹介します。

必ず最後まで読み進めてください👇

抗うつ薬ランキング「効果」「飲みやすさ」

京都大や英オックスフォード大などの研究グループは、主要な21種類の抗うつ剤について、2016年までに世界で行われた効き目に関する比較臨床試験のうち、科学的信頼度が高いと判断した522試験(非公表を含む)の結果を分析した。

効果薬の名前商品名飲みやすさ
1位ボルチオキセチントリンテリックス1位
2位エスシタロプラムレクサプロ3位
3位ブプロピオン 9位
4位ミルタザピンリフレックス、レメロン8位
5位アミトリプチリントリプタノール13位
6位アゴメラチン 2位
7位パロキセチンパキシル7位
8位ベンラファキシンイフェクサー11位
9位デュロキセチンサインバルタ16位
10位ミルナシプラントレドミン10位
11位セルトラリンジェイゾロフト5位
12位ネファゾドン 12位
13位シタロプラム 4位
14位クロミプラミンアナフラニール17位
15位フルボキサミンデプロメール、ルボックス14位
16位フルオキセチン 6位
17位トラゾドンレスリン、デジレル15位
18位レボキセチン 18位

※Cipriani, A., Furukawa, T. A., Salanti, G., Chaimani, A., Atkinson, L. Z., Ogawa, Y., … & Geddes, J. R. (2018). Comparative efficacy and acceptability of 21 antidepressant drugs for the acute treatment of adults with major depressive disorder: a systematic review and network meta-analysis. The Lancet, 391(10128), 1357-1366. 

効果と飲みやすさの両方で1位だったのが「ボルチオキセチン」という薬です。

日本国内では2019年9月20日に製造販売承認を取得し、2019年11月20日に「トリンテリックス錠」として武田薬品工業より発売されています。

◆ トリンテリックス(ボルチオキセチン)の特徴は?

<ベネフィット(期待できる利点)>

・副作用が比較的マイルド: 従来の抗うつ薬に比べて、副作用全体が比較的少ないとされています。

・1日1回の服用で効果が期待できる

・離脱症状が少ない傾向

・性機能障害が少ない傾向: 他のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などで問題となりやすい性機能への影響が比較的少ないと報告されています。

<リスク(注意すべき点・欠点)>

・効果が穏やかな場合がある

・薬価が高い

◆ トリンテリックス(ボルチオキセチン)の副作用は?

・嘔吐や下痢といった胃腸障害

・不眠(睡眠が浅くなる)

・性機能障害

効果で2位になったレクサプロはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)に分類される抗うつ剤になります。

飲みやすさも3位なので、効果と飲みやすさが両立していると言えますね。

◆ レクサプロの特徴は?

<ベネフィット>

・効果と副作用のバランスが良い

・1日1回の服用で効果が期待できる

・有効用量まで増量しやすい

・離脱症状が比較的少ない

<リスク>

・胃腸障害が多い

・心電図異常(QT延長症候群)の注意喚起がある

などです。

※どのお薬でも多かれ少なかれQT延長は認められ、とくにレクサプロが多いわけではありません。

ただし注意喚起されている以上は気をつける必要があります。

◆ レクサプロの副作用は?

レクサプロの副作用で多いのが、

・眠気
・胃腸障害
・頭痛
・性機能障害

などです。

本来は眠りが浅くなる副作用がありますが、実際には眠気を感じる方が多いです。

レクサプロで特に多い副作用は胃腸障害です。

・悪心
・嘔吐
・下痢
・便秘

などで、悪心(吐き気、気持ち悪くなる)を訴える方はたくさんいます。

レクサプロによる胃腸症状は飲み始めがピークで、徐々に慣れていくことが多いです。



抗うつ薬処方ランキング

次は実際にどの薬が一番処方されているのかを見てみましょう。(データ:医薬情報)

データは”うつ病で処方されている薬”ですので、抗うつ剤だけではありません。

※同じ薬で分量が違うものは除いています。

この記事を編集した時点でのデータです。

順位薬の名前薬の種類
1位サインバルタカプセル20mgSNRI
2位レクサプロ錠10mgSSRI
3位リフレックス錠15mgNaSSA
4位デパス錠0.5mg抗不安薬
5位ロラゼパム錠0.5mg抗不安薬
6位ソラナックス0.4mg抗不安薬
7位フルニトラゼパム錠1mg睡眠導入剤
8位メイラックス錠1mg抗不安薬
9位アルプラゾラム錠0.4mg抗不安薬
10位トラゾドン塩酸塩錠25mg抗うつ薬
11位ベルソムラ錠20mg不眠症治療薬
12位エビリファイ錠3mg非定型抗精神病薬
13位マイスリー錠5mg睡眠導入剤
14位ロフラゼプ酸エチル錠1mg抗不安薬
15位リーゼ錠5mg抗不安薬
16位パキシルCR錠12.5mgSSRI
17位ブロチゾラム錠0.25mg睡眠導入剤
18位ジェイゾロフト錠25mgSSRI
19位ロゼレム錠8mg不眠症治療薬
20位ルネスタ錠2mg睡眠導入剤
21位トリプタノール錠10三環系抗うつ剤
22位ワイパックス錠0.5抗不安薬

いかがでしょうか?

先ほどの効果ランキングで2位だったレクサプロ、4位のリフレックス、9位のサインバルタが上位3に入っています。

現在の主流はSSRI、SNRI、NaSSAですので当然と言えば当然かもしれません。

こうして見ると抗うつ剤の他に抗不安薬や睡眠薬がたくさん使われていることがわかりますね。

抗うつ剤だけでは効果が実感できないため抗不安薬を一緒に処方されることは多いです。

抗不安薬は効き目を体感しやすい反面、依存しやすいお薬です。

依存しやすいということは離脱症状も出やすくなってしまいます。

いくら医者に処方されたからといって、まるっきり安心して飲むのは注意が必要です。

よく話を聞いて、ベネフィット・リスク(メリット・デメリット)、副作用などを確認し、十分に納得した上で服用しましょう。



うつ病は薬に依存しているだけでは治りません

今これをご覧になっている方の中には、「もっと効く薬があるんじゃないか」と調べている人もいるかもしれませんね。

確かに薬を変えれば一時的に効果を感じられることもあります。

しかし、抗うつ剤や抗不安薬はうつ病そのものを治す薬ではないんです。

薬だけでなく、「規則正しい生活習慣」「運動療法」「うつにならない栄養補給」を実践しない限り良くなりません。

仮に「薬だけで良くなったよ」という人がいても、再発する割合が非常に多いです。

うつ病を根本から改善し、再発させないためにもお薬以外の治療を合わせて行うようにしましょう。

結局答えはシンプルです。

当たり前のことを当たり前にやるだけです。

遠回りに思えるかもしれませんが、治すルールは1つです。

それ以外のことをしても良くならないのです。

そして薬で近道することはできません。

でもしっかり治してしまえば、また以前のように何でもできるようになります。

仕事もバリバリできますし、趣味を楽しんだり旅行に行くことだってできるんです。

薬で一時だけ楽になっても、それは治ったことにはなりません。

正しい改善法を実践して、本来の元気な身体を取り戻してください。

ここで踏みとどまって、もう一度健康な身体を構築するのです。

これからもずっと薬を飲み続けて霧の中をさまようのか?

それとも光を取り戻すのか?

選ぶのはあなたです。

こちらでもうつ病の薬について解説しています👇

⇒うつ病の薬をやめたら治ったというのはよくある話。その薬本当に必要?

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カウンセラーK

病院での臨床経験は約20年。発達障害の療育6年。

自身も重度のうつで3年間寝たきり生活を経験。
現在はフリーのカウンセラーとして活動中。
メンタル疾患の改善、職場の悩み、あなたが生きる理由などの相談を解決します。

シリーズ ~うつ病の治し方~  👇

PART.5:うつ病の薬をやめたら治ったというのはよくある話。その薬本当に必要?

PART.1:うつが治らない人の特徴は?スマホをいじっている人は絶望的!「対処法教えます」

PART.2:うつ病になったあなたの苦痛を少しでも減らす為にやって欲しいこと

PART.3:うつの正しい過ごし方「テレビを観てゴロゴロしてたら絶望的!治す為に必要なのはコレ」

PART.4:うつは甘えですか?「気合いが足りない、根性で治せと言われた時の対処法」

こちらも合わせてご覧ください👇

→健康な人が抗うつ剤を飲んだらヤバい?「メリットなし。危険なだけ」

→「抗うつ剤は副作用で太る」のは本当?太りやすい抗うつ剤の種類と対処法

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