コラム

健康な人が抗うつ剤を飲んだらヤバい?「メリットなし。危険なだけ」

 

病院で抗うつ剤を処方された時に、「これ飲んでも大丈夫なのかな」と不安に思う方は多いです。

 

本当はうつ病じゃないのに薬を飲んでおかしくなってしまったら…

 

そんな風に考えるのは何ら不思議なことではありません。

 

基本的にうつ病は、本人が話す症状から診断されるもので、レントゲンや血液検査などの”目で見える”手がかりがないです。

 

はっきり言ってしまえば、診察する医師の経験によって決まるものです。

 

したがって、慎重に話を聞いてなるべく薬を出さない医師もいれば、

自動的に「じゃあこの薬で様子をみましょう」というタイプの医師もいます。

 

もしも、うつ病じゃないのに抗うつ剤を出されてしまったら

 

そこで今回は「健康な人が抗うつ剤を飲んだらどうなるのか」についてわかりやすく説明していきます。

 

念のため言っておきますが、友人や知り合いから抗うつ剤をおすそ分けしてもらうとか絶対にダメですよ。

危険ですし、法律違反です。

 

☑すぐに見たい項目があれば下のContentsから選んでください。

 

健康な人が抗うつ剤を飲んだらどうなる??

抗うつ剤を飲もうとしている人

脳が健康な状態の人が1回や2回抗うつ剤を飲んだとしても特に変化はあらわれません。

 

つまり何も起きません

何も起きないというのは、良いことは何も起きないという意味です。

 

どうして良いことが起きないかについては次の項目で説明していきます

 

が…

 

まれに、”いきなり異常をきたす”場合があるので注意してください。

抗うつ剤を飲み始めた時や長期間たくさん飲み続けている時に、セロトニン症候群という副作用が起きる場合があります。

 

脳内セロトニン濃度が過剰になることで起こり、以下のような症状が出ます。

☑ 自律神経症状

体温の上昇、異常発汗、緊張、高血圧、心拍数の増加、吐き気、下痢

☑ 神経・筋肉症状

ミオクローヌス、筋強剛、振戦、反射亢進、緊張と緩和の繰り返し

☑ 精神症状
混乱、興奮、錯乱、頭痛、昏睡

 

いくつかの薬を併用した場合に発生することがあります。

 

どうして何も起きないのか?

健康な人が1回や2回抗うつ剤を飲んだとしても、何も起こりません。

 

抗うつ剤は脳の中のセロトニンやノルアドレナリンなどの物質を増やしたり、働きを活性化させる目的のお薬です。

その結果、抑うつ気分を和らげたり、意欲を高める効果を期待するものです。

 

つまり足りなくなっているものを補っているわけですが、これらの物質はたくさんあればあるほど元気になるという訳ではありません。

健康な状態の人がセロトニンやノルアドレナリンを増やせたとしても特に変化は起きないのです。

 

また、抗うつ薬は効果が現れるまでに1週間から数週間かかるので即効性はありません。

さらに言えば、抗うつ剤の効果はとても限定的です。

 



そもそも抗うつ剤は効果がほとんどない

2010年、米国ペンシルバニア大学の研究チームが、「うつ病の症状が軽いか中程度の場合、抗うつ薬には効果がみられない」と報告しました。

 

日本うつ病学会のガイドラインでも、

軽症うつ病の場合、安易な薬物療法は避けるべき

としています。

 

 

また、抗うつ剤の効果研究の結果をまとめて、NNT(Number Needed to Treat)という数値で表したものがありますが、5から8程度、論文によっては、8から10というデータが出ています。

 

これはどういう意味かというと、抗うつ薬の効果で治るのは「5~8人に1人」論部によっては「8~10人に1人」という意味です。

つまり10人中9人には効いていないということです。

 

うつの方にとっては残念な結果ですが、抗うつ剤はやる気を出させたり元気にしてくれる特効薬ではないんです。

 

結局、健康な人にはなんのメリットもない抗うつ剤ですが、身体に害を及ぼすデメリットや危険性はたくさんあります。

 

次は健康な人が抗うつ剤を飲んだ場合の危険性を見ていきましょう。



 

健康な人が抗うつ剤を飲み続けたら危険

はじめに”お薬の作用”についてお話します。

どんな薬にも良い効果がある反面、副作用が出ることもあります。

 

病院では「ベネフィット」と「リスク」という言葉で説明を受けるかもしれません。

薬のベネフィット くすりを使うことで、目的とする症状が改善する、病気が治るといった作用が、くすりの効きめなど
薬のリスク 副作用、飲み合わせの悪さ、依存性など

 

効果が高くて副作用がないものが理想ですが、そんなにうまい話は無いんです。

 

ですので、ベネフィットとリスクをよく理解し、本当に自分に適している薬なのかを判断することが大切です。

 

抗うつ剤の場合は、ベネフィットはあまりなく、リスクの方がぐーんと高くなっています。

 

健康な人が1回や2回抗うつ剤を飲んでも問題ありませんが、”飲み続ける”ことでリスクが高くなっていきます。

 

ではどんな危険があるのか?

一つずつ解説していきます。



抗うつ剤 ~薬物依存の危険~

薬と言えば依存症ですよね。

ですが、抗うつ剤に関しては依存性は高くありません。

効果が実感できないので「もっと欲しくなる」「無いと不安になる」という状況にならないんです。

 

しかし、うつ病の人で「抗うつ剤の効果をかなり実感できる」という場合は依存する確率がアップします。

 

薬に依存すると、他の治療法を受け入れられません。

 

仮に今飲んでいる薬の効果が実感できなくなっても、「他の薬を出してください!もっとたくさん出してください!」という状態になります。

 

実際には効果はありませんので、どれを使っても同じことなのですが、依存症になると正常な判断ができなくなるんです。

 

そうなれば永遠に治りません。

 

抗うつ剤 ~副作用の危険~

健康な人が抗うつ剤を飲んで危険なのは副作用です。

 

1回や2回飲んでも大丈夫と言いましたが、飲み続けた場合は重い副作用が出る可能性があります。

 

抗うつ剤は脳の神経伝達系に作用する薬なので、

・口が渇く

・便秘・排尿障害

・眠気

・胃腸障害

・頭痛

などの副作用があります。

 

冒頭でも言いましたが、少量でもすぐに出る可能性があるセロトニン症候群(Serotonin Syndrome)という副作用もあります。

 

セロトニン症候群は身体のセロトニン濃度が急激に上昇する事で生じる副作用で、薬の服用を始めたばかりの時に最も生じやすい傾向があります。

 

セロトニン症候群で生じる代表的な症状には、

・自律神経症状(発熱、発汗、心拍数増加、呼吸促拍、腹痛など)

・神経症状(振戦、筋硬直など)

・精神症状(イライラ、不安、意識障害など)

などがあります。

 

これらのすべてが必ず認められるわけではなく、一部しか症状が出ない事もあります。

基本的には重篤化せず、時間と共に自然と落ち着いています。

 

ですが、一部のケースではイライラやソワソワ、興奮、不安などから自傷行為や自殺行動に至ってしまう事もあるので注意が必要です。

 



抗うつ剤を飲んだら「うつ病」になる

抗うつ剤を長期間使用すると逆にうつ病を悪化させるという研究データがあります。

・抗うつ薬を使った患者さん

・抗うつ薬を使わなかった患者さん(効果のない偽薬を使用)

を比較すると、抗うつ薬を使った患者さんの再発率は42%、使わなかった患者さんのグループは25%で、圧倒的に薬を使ったほうが再発率が高かったのです。

 

その論文をまとめると、

抗うつ薬を長期間飲んでから抗うつ薬をやめると、脳が過剰修正をしてしまい、その結果再び「うつ状態」が誘発されるというものです。

 

簡単に言えば脳の中に抗うつ薬の成分がある状態でプラスマイナス0になっていて、薬を止めればマイナスになってしまうということです。

薬が招いてしまったうつ状態だと述べられています。

 

簡単に言えば脳の中に抗うつ薬の成分がある状態で「プラスマイナス0」になっていて、薬を止めれば「マイナス」になってしまうということです。

 

抗うつ剤を使用してはいけない国もあります

英国国立医療技術評価機構(NICE)の2009年の改定されたガイドラインでは、リスクとベネフィットの比率が悪いために軽症以下のうつ病に抗うつ薬を使用してはいけないとしています。

 

良いことが全然ないわりに、副作用などのリスクがたくさんあるので使ってはいけないと国が判断しているんです。

 

「でも軽症以下のうつ病の場合でしょ?」と思われたかもしれませんが、重症のうつ病に使ったとしても、飲まないよりは効果があるというだけで、治る訳ではありません。



 

抗うつ剤を飲む場合は十分納得してから

うつ病は社会的に認知度が高くなってきました。

昔は精神科と言われていた病院も、

「メンタルクリニック」

「スリープクリニック」

などの名前に変わり、昔よりは気軽に受診できるようになってきました。

 

「なんとなく元気が出ない」という症状で診てもらう方も多いと思います。

 

でも残念ながら多くのメンタル系の病院では、たいして症状を把握しないまま薬だけ出しておしまいです。

 

「あの時医者に言われるがままに薬を飲んだのが間違いだった」と後悔している方がたくさんいます。

 

薬に頼って病気が良くなるという科学的根拠はありません。

むしろ病状を悪化させるケースも珍しくないです。

 

それでも絶対的に抗うつ剤を否定しませんし、飲みたい人は飲めばいいと思います。

薬を飲むことで安心感を得られる場合もあります。

 

ただし、医師の説明をよく聞いて、納得した上で服用してください。

 

後になって「飲めって言われたから」ではどうにもならないですよ。

 

何度も言いますが、薬で多少効果を感じたとしても病気自体は治りません。

運動療法は必須ですし、たくさんの研究結果からエビデンス(根拠)も十分に証明されています。

 

特に軽度のうつ病と診断された方は、すぐにでも運動をやってみてください。

 

最初は短時間で結構です。

正しいことをコツコツ行っていれば必ず成果は出ます。

焦ることなく今できることを続けていきましょう。

どうしても一人で乗り越えられない方はご連絡くださいね♪

 

このコラムを書いた人

フリーランスカウンセラー:「K」

病院での臨床経験は約20年。現在はフリーのカウンセラーとして活動中。
主にメンタル疾患、職場の悩みなどの相談を解決します。
愛犬家です🐕

「K」さんへの質問、カウンセリングの依頼はココなびお問合せフォームから受け付けています。 

 

 

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