ペットロスはとても辛いものです。
どんなにペットの医療や栄養学が発達したとしても、ペットの寿命は人間に比べると短く、年齢を重ねるスピードも違います。
ペットを迎える時には想像もできなかった辛い別れが必ず訪れるのです。
大切なペットを亡くして苦しんでいる方の中には、
「こんなに辛く苦しんでいるのは私だけではないか?」
「もう1年以上もたつのに立ち直れないのはおかしいのではないか?」
と悩んでいる人もいらっしゃることでしょう。
ですが、これは愛する者を亡くした深い悲しみに対する人間の正常な反応であり、ごく当たり前のことです。
しかしながら、中には「そうは言ってもペットだし…」「また新しく飼えばいい」などと、心無いことを言う人もいます。
そんな言葉を聞くことで傷つき、誰にも理解されない気持ちで余計に苦しくなることもあります。
また、「いつまでも泣いていると成仏できないよ」「元気を出して」などと声をかけられることもあるでしょう。
おそらく周りの人はあなたのことが心配で慰めているのでしょうが、
「元気を出したくても出せない」
「気持ちを切り替えたくても忘れられない」
と、自分の思うようにならない辛さを感じてしまいます。
この辛さを誰かにわかってもらいたいと思っていても、周囲からこのような反応をされると、段々と悲しい感情を表に出せなくなります。
「誰も私の気持ちをわかってくれない」
「もう誰も信じられないから人に話すのはやめよう」
このようにして、辛い感情を自分だけで抱え込むことがペットロスにつながってしまいます。
大切なペットを亡くした悲しみだけでなく、あなたの悲しみや辛さを理解してくれる人がいないことが深刻なペットロスの大きな原因なのです。
重いペットロスになると心と身体に様々な症状があらわれてきます。
場合によっては日常生活に支障をきたすことさえあります。
そこでこのページでは辛いペットロスを乗り越える方法、ペットを喪った悲しみがどのような過程で癒えるのかを紹介していきます。
すぐに気持ちが切り替えられることはありませんが、「ペットロスがどのようなものなのか」を知ることで、少しばかり心に余裕が持てることもあります。
人間には愛する者を失った悲しみから立ち直る力がそなわっています。
決して焦る必要はありません。
いつか悲しみや苦しみが、愛するあの子への感謝の気持ちに変わる日が来るはずです。
Contents
ペットロスの乗り越え方
一人で抱え込まない
「私の辛さは誰もわかってくれない」と思うようになると、悲しみを一人で抱え込んでしまいます。
感情を無理に抑え込むことがストレスとなって様々な症状を引き起こす原因になるのです。
ペットロスが重度になると一人では立ち直るのが難しくなってしまいます。
そうなる前に、一人で抱え込まず誰かに話してみましょう。
普段は全くそのような話をしていなくても、「実は私もペットを亡くした経験がある」という人は多いのです。
どこかにあなたのことを理解してくれる人はいるはずです。
現在の辛い心境を話すだけでも、ペットロスを乗り越える第一歩になります。
誰かに話すだけでもずいぶんと心が楽になります。
※どうしても見つからず困っているという方はコメント欄かお問合わせフォームよりご連絡ください。
「時間」と「悲しさや辛さを表に出すこと」が大事
別れというのは何の前触れもなく突然やってきますので、当初は目の前の現実を受け止めることがなかなかできません。
ですが、時間が経過するにつれて感情の波が穏やかになり、徐々にではありますが受け止められるようになるものです。
とは言っても、愛する者を喪った悲しみがすぐに癒えるはずはありません。
この深い悲しみから癒えるためには長い時間が必要ですし、ただ時間が経つのを待っていればいいというものではないのです。
気持ちを整理するのにもっとも効果的なのが「悲しさや辛さ」を表に出すということになります。
つまり自分の感情を無理に仕舞い込まずに、「出したい時は出す」ということです。
人によって方法は様々ですが次のようなものがあります。
・泣きたい時は素直に泣く
・一緒に過ごした日々を思い出す
・ペットの死を理解しあえる人と死別について話をする
・写真を整理してアルバムを作る
・日記、ブログに思い出をつづる
・同じ体験をした人の話を読んだり聞いたりする
・亡くなったペットへ手紙を書く
・新しいペットを迎える
・体を動かして気分を発散する
これらのことを通じて、自分の心と向き合い、心を整理する時間が必要です。
「○○をしなければならない」というのではなく、自分の気持ちに素直になり、今自分ができること・やってみたいことをして過ごす時間が大切なのです。
自分の心の声に耳を傾ける
あなたの悲しみはあなたのものであって、他の誰かに代わってもらうことはできません。
ですので、自分の心の声に耳を傾けて、「今何をしたいのか」「何ができるのか」「どうのようにしてあげたいのか」を感じ、心の中の想いを表現するのが大切です。
悲しいときには悲しむ、泣きたい時には泣くというように当たり前のことをしてください。
周りの目を気にして頑張ったり、すぐに立ち直ろうと気丈にふるまうことがかえって癒しの妨げになります。
立ち直る期間や症状は人それぞれ
ペットロスから立ち直る時間や症状は人によって違いがあります。
3ヵ月過ぎたから、半年過ぎたからと期間が決まっているわけではなく、すぐに癒える人もいれば、長期間かかる人もいます。
ですので、「もう〇ヵ月だから気持ちを切り替えなくちゃ」と焦る必要はありません。
あなたが癒えるまで時間をかければいいのです。
ただし、精神的・身体的な症状が出て、日常生活に支障をきたすようであればメンタルクリニックに行って相談する必要があります。
「ペットロスが原因で病院にかかるのは…」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、愛する者を喪った悲しみに、人間だから、動物だからという違いは全くありません。
一人で考え込まずに専門家に相談することがあなたたの助けになります。
ペットロスから立ち直る過程
ペットロスから癒しに至るまでには様々な感情の経過があります。
今辛い状況にある方は「ずっと苦しいままなのではないか」と思えてしまいますが、一連の経過をしることで少し心に余裕が持てるのではと思います。
第一段階【否定】
まずはペットの死を現実のものとして受け容れることから始まります。
別れは突然やってきますので、
「さっきまで生きていたのに…」
と最初はなかなか受け容れることができません。
誰しもいつかはお別れする時がくるとわかっていても、まさか本当にこの日がやってくるとは思っていないものです。
ですので、その現実を認めたくない思いから、
「これは夢だ、夢であってほしい」
「明日目が覚めたら生き返っているのではないか」
と否定してしまうのは無理もありません。
場合によっては「生き返らせてくれるなら何でもします」と神様に懇願することもあるでしょう。
参考:亡くなった犬に会いたいと思っている方へ。亡くなった愛犬に会う方法
素直に死を受け容れるのは難しいのです。
第二段階【後悔】
愛するペットの死を受け容れると、その悲しみに涙するのと同じく、後悔や自責の念などが起こります。
ペットの命は飼い主が預かっているようなものですから、自分の取った行動や選択に後悔してしまうことでしょう。
「あの時○○していれば」というように、自分が別の選択をしていれば結果が変わっていたのではないかと、自分の取った行動を後悔し自責してしまうのです。
参考:「死んだ犬に謝りたい」愛犬を喪った悲しみと後悔で苦しんでいる方へ
また後悔には怒りを伴う場合もあります。
例えば病院のスタッフに対して、
「大丈夫って言ったじゃないですか」
と転嫁したり、
家族に対しても、
「だから私が病院に連れて行ったほうがいいって言ったのに」
と怒りを向けることもあります。
また、
「何も悪いことをしていない私の子が、どうしてこんなに早く亡くならなければいけないんですか」と神様に向かうこともあります。
第三段階【悲しみ】
激しい感情が少し穏やかになってくると、今度は悲しみと向き合わなければなりません。
この時は感情的には静かになってきています。
ですが、もっとも寂しさを感じる時でもありますので、この時期こそ本当に辛いのかもしれません。
「心にぽっかり穴が開いた」喪失感。
とても切ない時期です。
参考:「犬が死んだ…悲しい…」なぜ愛犬の死はこんなにも苦しいのでしょうか
いつも一緒にいるのが当たり前で、愛情を分かち合ってきた子が目の前にいないことがしみじみ感じられます。
帰宅した時、ご飯の時、散歩の時間になるたびに違和感や虚無感を抱き、愛するペットがいないという寂しさを感じることになります。
この時期ほど悲しく、寂しいことはなく、たとえ感情が穏やかであったとしても、心が痛く感じることがあるものです。
そして穏やかな感情の時もあれば、急に後悔や自責などの激しい感情が湧いてくることもあり、これらを繰り返しながら、徐々にではありますが悲しみを受け止められるようになってきます。
ここまでくるのには、「ペットロスの乗り越え方」の部分でもお話しましたが、悲しい気持ちを素直に表現することが大切です。
ペットを思い出して泣く、
手を合わせて供養する、
誰かに話を聞いてもらう、
アルバムや日記に思い出を綴る、
など人それぞれですが、行動することを通じて心と体で受け容れられるように気持ちが整理されていきます。
第四段階【受容】
時間の経過と共に強い感情は穏やかになり、繰り返し悔いることも少なくなってきて、複雑に絡み合っていた感情は徐々に整理されてきます。
ペットのことを思い出せば涙はするものの、以前のように辛く苦しい涙ではなく、愛する我が子への感謝の涙に変わってきます。
参考:亡くなった犬の気持ち。あの子はどんなことを思っていたのか?
この頃には悲しい記憶ではなく、通常の「思い出」となり、少しずつ辛い別れよりも、一緒に過ごした幸せな思い出の方が多くなっていきます。
悲しみを忘れる訳ではありませんが、最愛の我が子に出会えた幸せ、一緒に暮らせた喜びに感謝するようになっていくのです。
これらの段階が順番通りに進んでいくのではなく、前後しながら繰り返していくうちに、徐々に心が整理されていき、愛するペットを喪った悲しみはやがて穏やかになっていきます。
悲しみが癒える期間は人によって違いますので、他の人と比べて焦る必要はありません。
亡くなったペットへ感謝の想い
別れの辛さはとても大きいものですが、出会った幸せは比較にならないくらい大きいものです。
ですから、いつか「出会えてよかった」と気付く日が訪れることでしょう。
でも悲しさ、苦しさ、寂しさを無理に我慢しなくてもいいです。
泣きたいときは泣いて、寂しくなったら愛犬のことを思い出してください。
時間はかかってもいいので、大好きな愛犬に感謝の気持ちを伝えられるようになればいいんです。
ペットは命の定めを受け入れてこの世に生まれてきました。
全てはあなたに出会うためです。
あなたがいたからこそ、犬達は命を授かることができ、そして幸せな時間を過ごせたのです。
あの子はいつでもあなたに感謝しています。
だからいつか、気持ちの整理がついた頃に、あなたも感謝の想いを伝えてあげてください。
参考:犬は死んだらどこに行くのか?天国は遠いところではなく心の中にある
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フリーランスカウンセラー:「K」
病院での臨床経験は約20年。
自身も重度のうつで3年間寝たきり生活を経験。
現在はフリーのカウンセラーとして活動中。
幼い頃から犬と一緒に暮らす愛犬家です。
ペットロスで苦しい想いをしている方へ
ペットを喪った悲しみはなかなか消えることがありません。
私や私の家族も、大切な愛犬を亡くす度に苦しい想いをしてきました。
ですが辛い気持ちを誰かに話したり、本を読むことで少しばかり気が楽になることもあります。
寂しさや悲しさをどうすればいいのかわからず困っている、辛い気持ちを誰かに伝えたいという方は記事下のコメント欄に書き込んでください。